2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧
超人気者、ウーニー。
黒島には、かなり古くから伝わる、豊年際の、ハーリー競争がある。 ハーリー競争は、中国や沖縄本島、石垣島や周りでも行われているが、この黒島の場合、かなり違った行事である。 船を漕ぐ競争だけでなく、ウーニーと呼ばれる、走り手、その競争が、かなり…
ウーニーを船の下敷きにさせないため、トウジーの怒号が飛ぶ。 (写真は大野隆志氏提供)
水中を走るには、熟練した技術が必要。
超人気者、ウーニー。
この島では、気温が10度を切ると、近海の魚が凍死して浮き上がってくる。 一番寒さに弱い魚は、フクラビと呼ばれるカワハギである。 立派な皮を纏い、見た目は寒さに一番強そうな魚が、一番弱い。 カワハギ! お前は、イミテーションのミンクのコートを着…
島のじいさんと飲んでいたら、今の女のオッパイは、成っていない、あの格好は何んだ、と怒っている。 猥談でも始まるのかと思うと、真面目な話のようだ。 昔の女は、オッパイを長く長く伸ばす訓練をしていたんだぞ。 子供を背負い、オッパイを欲しがったら肩…
女房一族のドンが亡くなった時、献杯の音頭は、ひかるしかいないと、音頭を取らされる信頼、急変ぶりである。 勿論、ひかるは必死に働きマイホームを構えていたが、女房の親が年を取り、足元もおぼつなかったので、親の面倒は子供が見るべし、と嫌がる女房を…
投資した金は半分に減ってしまったのである。 それからというのは、親からもらった財産を半分に減らした分を、なんとか元に戻すと、更にお金に対する執着、そして呪縛は、日を増すにつれ、膨らんで行った。 とうとう60を過ぎても結婚出来なかったのである…
ひかるの新婚生活、女房の実家に猛反対され、それこそ三畳一間、電化製品ひとつない、貧乏どん底からのスタート。 木造で、廊下は歩くとミシミシ音がし、トイレはポットン便所の安アパート、夫婦で共働き、やっと家賃が払えるという生活。 東京で家賃が一番…
当時、沖縄は日本国ではない。米国統治下でパスポートを持っており、ましてやひかるの生まれ育った島など、日本の地図には載っていない。 彼女の実家は、代々手広く卸問屋をしており、嘘かまことかは分からないが、皇族にもつながる由緒ある家だと言っていた…
食事を済ませ8時過ぎ、庭のテーブルで、泡盛を飲んでいると、民宿の20代半ばのカップルが2組散策がてら、ぶらりと入って来た。 東京と島を年間半々生活してる私を見て、うらやましい。自分の両親にもそのような生活をしてもらいたいと、話していた。 親…
子供が生まれても、昔は栄養が行き届かず母親の乳が出ない場合が結構あった。 勿論、ミルクは無く、冷蔵庫も無い時代。 そこで、ヤギの乳を頂く事になる。そうやって島の子供達は育ったのである。 ひかるも母に3軒の家からヤギの乳を頂いたという。 だから…
南の島々には、ヤギを飼育しており、ヤギ汁は生活に欠かせない。 そして必ずと言っていいくらい、そこにはヨモギが入っている。 ヤギ汁は血圧を上げる、ヨモギは血圧を下げる効果があるとの事。 だからこの組み合わせは、どこの家庭でも行われている。 古老…
この島の方言を見ていると、突然変異みたいな訳の分からない方言が時々出てくる。 豊年際にハーリー競争が昔からある。その船のかじ取り役は重要である。 かじ取り役のことを島の方言では、トウージーという。 なぜかじ取りが、トウージーなのか? 日本の言…
ひかるが、なぜテレビ業界を目指したのか。 昭和30年代、TVは緒についたばかりだ。 遥か南端の小島、映画館は無いが、子供心に映画を見たかった。 石垣島まで渡れば映画は見れたが、家が貧しくそれも出来なかった。 南端小島、飛行機は無く船輸送、マンが…
だから沖縄出身者だけは採用したくないとまで、言い切る社長もいる。 ひかるを見てくれ、一徹に何が何でも仕事一点張りでやりとげる沖縄人だっているんだよというと、あなたはパスポートを持って本土に乗り込んだ人だ。 今の沖縄の若者はそんな覚悟も何もな…
東京の放送局、キーステーションに沖縄出身者はひかる一人しかいなかった。 どこで聞きつけたのか、沖縄の若者がキー局で番組制作したいけど、どうしたら良いかという相談、いわゆる就職相談が結構あった。 ひかるの知人に、人格良好すばらしい男がいたので…
この島の方言を聞いていると、訳の分からない事が沢山出てくる。 足の事をパンと呼び、ハブの事もパンという。 畑に使うクワの事をパーイと呼ぶ。 このパーイはペルーの山奥の原住民が使う言葉だと言われている。 インドネシアを旅行したおり、ところどころ…
島で生活してると時々、言葉遣いや表現に、あれれ?、と感じる事がある。 話の中で冗談に、殺すぞ! 、あるいは殺されるぞ!、 という言葉が出てくるはずだ。 島の人の表現では、それは、死なすぞ!、死なされるぞ!、と言う表現になっている。 何んでそんな…
南端に浮ぶ周囲12キロ、ハート形の黒島には遠い昔、溢れんばかりの人口があり、一大文化圏を形成していたという説がある。 ある説によれば、人口1万人はいたであろうという人もいる。 真意の程は定かでないが、1700年、鳩間島へ60人が強制移住、3…
島の民宿では夕食後、泡盛がただで振舞われる。 中庭の大きなテーブルで、星空を眺めながら、お互い自己紹介をし観光客は談笑。 ふらりとその輪の中へ入っていくと、島の人だという事で話を聞きたく、周りに集まってくる。 北海道から来たという、60歳過ぎ…
亀甲墓は子宮の形だと言われ、命は子宮で育まれ、完うしたら、またそこへ戻ると言われ、入り口は80センチ程の四角い、入り口になっており、勿論、蓋は分厚い四角の石で覆われ、空気が外へ漏れないようになっている。 風葬と呼ばれる方式で、遺体は決して焼…
入り口は棺桶の入る大きさ。
亀甲墓。