世の中時々ひょんな物に出会う。 マッチ発祥の碑、なんて誰も知らないだろう。 あのタレントのマッチじゃないぞ。 場所は錦糸町、ひかる邸の近所にその碑がある。 名門だが両国高校の敷地内に、道路に面した所に何気なく目立たない状態だ。 誰が何んの意味が…
マッチ発祥の地。
この島では鳥のフクローの事を、ボイサと言う。 なんでこのような呼びかたになったか、まったく訳が分からない。 また、本土では「ん」から始まる言葉や単語は、数少ないと思うが、この島では、けっこう「ん」から始まる言葉や単語がある。 姉さんの事は、「…
島には、全く理解出来ない言葉がある。 行け、という表現は、パリ、と言う。 日本国広し、島の数は、多くあると思うが、行け、という言葉をパリ、と表現する地区ないであろう。 フランスのパリ、がどのような意味を持っているのか知っている方は、教えてもら…
島の古老と飲むと、パンティパンティと言う発音が連発される。 パンティの意味は、いっぱい、と言う意味だ。 いっぱい、いっぱい注げがパンティ、パンティと言う意味で使われオットットットーがパンティ、パンティになる。 だから飲む時パンティパンティ(い…
若い青年二人、A君、B君と酒を飲んでいると、C君の話題、文句で盛り上がっていた。 そこへC君が、「よー!」と、入って来た。 話題は必然的に他の話題となり、アルコールが入り、その内A君が、先程のC君に対する文句話となってきた。 酔った勢いもあり「お…
古老の話によると、昔は名字が無かったそうだ。 そのせいか、この島の古老達は、あだ名をよく使っている。 また、あだ名のつけ方が、ユニークで、特徴をよくとらえている。 普通は、大工屋あるいは畳屋、鍛冶屋など、職業による名前を使っているが、結構あだ…
民宿の庭で観光客と飲んでいると、二十歳前後の女の子がペアでいた。 島の方言で、親しい間柄、信頼している中、親友中の親友は、パナヌミ(鼻の穴)と表現する。 訳は、人間の体の中で、目や耳、乳、手や足など、対になっているが、鼻の穴が一番近い。 奥で…
前年に続き、大型台風が10月に島を襲った。 4日前の10月3日、島は台風の予兆も無く晴れて雨も無い。 いつも通り庭でくつろいでいると、あれれ?いっぱいいるはずのアリ達が、完璧にいなくなり、巣に避難してしまっているのだ。 とんでもない予知能力だ…
昔々南の小さな島では若い男女の巡り合い、恋愛やお見合い等ではなく、夜這いが結びつきの大きなきっかけであった、と曾祖父が話をしていた。今では想像つかない面白い話がある。小さな島に高島吉蔵、91歳のおじいちゃんがいた。ばあちゃんは90歳で名前は育…
ちなみに、この地区の島に、夜這いは、女がする事になっている島があるそうだ。そんな島で生まれ育っていればよかった、と誰も思うだろう。しかし、待てよ・・もしかして夜這いを待ち続け、何時の間にか立つべきものも立たなくなる。そしてご臨終、俺は何の…
夜這い女
二十歳で島を出た時は、着の身着のまま、石垣島、沖縄本島で、日雇い労働者として旅費を工面、少しでもいまわしい記憶のある島から離れたい、と大阪まで辿り着いたのである。 大阪でペンキ屋、左官や土木作業員等転々し、溶接工になった。 暇になると、どう…
昭二は、夜這いの話が再燃し、明子の身にこれ以上災が起きては、とそそくさと帰り支度をした。 明子の縋る気持を振り切り、来た道をとぼとぼ帰る昭二の背中は泣いていた。 昭二は、やはり自分の家には寄らず、そのまま港から四十年前と同じ、誰にも気づかれ…
夜這いがあったあの日、昭二を受け入れ、ささやかな世帯を持ちたいと思っていた。 昭二が後手に、柱に縛られ泣いている時、なんで父親に自分の気持ちを打ち明けられなかったのだろうか。 何度も、何度も後悔をしてきた。 昨夜もトタンに囲まれた風呂場、ドラ…